お知らせ地域おこし協力隊 活動報告

地域おこし協力隊とは、人口減少や高齢化が進む地域で、地域外の人材を受け入れ、地域協力活動を行い、また、隊員の定住や定着を促し、住民のニーズに応えながら地域を活性化する制度です。
松山市では、平成28年8月から採用し、隊員は地域活性化のための活動を行っています。今回は、それぞれの隊員が取り組んだ内容を紹介します。

【橋本隊員(平成28年8月1日~令和元年7月31日)】
平成28年8月から令和元年7月までの3年間、五明地区の魅力を地区内外に発信し、五明地区まちづくり協議会の取り組みを通じながら、たくさんのアイデアで地域に新しい風を起こしました。

<橋本隊員の活動実績>
①五明の里 生活博物館構想の推進
五明地区の史跡や文化、人材などの地域の“宝”を作品に見立て、地域の魅力を発信する「五明の里 生活博物館構想」を推進しています。着任当初から、まちづくり協議会の役員と連携して全ての集落を回り、住民と一緒に“宝”の掘り起こしを行いました。
その魅力の発表の場として、坂の上の雲ミュージアムのフリースペースで展示会を開催し、五明の名所がひと目で分かる「立体地図」のほか、陶芸や手芸、写真などの住民の手作り作品を展示し、多くの方に五明地区の魅力を発信しました。

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坂の上の雲ミュージアムで展示会を開催

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立体地図や手作り作品を展示し、五明の魅力をPR。展示会に併せてコンサートも開催

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まちづくり協議会の皆さんと協力し、展示スペースを作成

②「五明会」の設立
樹木の剪定や草刈り、ハチの巣駆除等の五明地区ならではの技術やノウハウを持った方が多くいることに着目し、その力を活用しようと「五明会」を立ち上げました。五明会は、地元の方からの依頼を受けて生活支援を行っているほか、野外活動センターの施設内の環境整備の仕事を請け負っています。この取組みは、シニアの労働力活用の事例として注目されています。

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個人宅以外にも福祉施設などから依頼を受けることも

③サークル活動の促進
地域内の交流を深め、地域活動に協力してもらえる人材を発掘するため、まちづくり協議会と連携し、さまざまなサークル活動を支援しました。これまでに、陶芸サークル、手芸サークル、DIY(日曜大工)サークル、英会話の集いなどの活動が始まり、新たなコミュニティの場が生まれました。

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陶芸の様子

④地域との積極的な関わりやPR活動
まちづくり協議会や公民館などの地域団体が実施する行事に積極的に参加したほか、野外活動センターで開催されるイベントでもブース出展をお手伝いするなど、住民との交流を深めました。また、地元テレビ局やラジオ局の取材では、地区の案内人として五明の魅力を発信しました。

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バザーでは地元で採れる果物等が並ぶ

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テレビでも五明の名所を紹介

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ラジオで地元の方と一緒に五明の名産や特色を紹介

【間城隊員(平成28年8月1日~令和元年7月31日)】
平成28年8月から令和元年7月までの3年間、忽那諸島地域の地域おこし協力隊として島しょ部の魅力をSNSや都市部で開催される地域フェアなどで発信しながら、地域の離島振興に携わる団体等と一緒に、島しょ部の活性化に取り組んできました。また、島しょ部での主要産業である柑橘を活用した6次産業化に取り組むとともに、柑橘の流通が少ない東北地方などの地域へ売り込む活動などを行いました。
【山田隊員(平成30年4月1日~)】
平成30年4月に忽那諸島地域の地域おこし協力隊として赴任し、現在も活動中です。間城隊員と同様、独自の視点で島しょ部の魅力をSNSで発信し、地域の離島振興に携わる団体等と一緒に、島しょ部の活性化に取り組んでいます。また、パン屋のない忽那諸島で、パン屋を開業しようと、日々特産品を活用したパンなどの研究を行っています。

<間城隊員・山田隊員の活動実績>
①まつやま里島ツーリズム連絡協議会のイベント等の支援
忽那諸島の交流人口を拡大する活動を行う「まつやま里島ツーリズム連絡協議会」に協力し、地域の方と一緒にイベントを盛り上げています。
これまでに、「しまのわ冒険学校」「中島文化財サイクリングツアー」「しまのわ学校体育祭」などのイベントで来島したお客様へのおもてなしを行いました。

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「しまのわ冒険学校」では、子ども達に、間城隊員が考案し作った地場産品を使ったフルーツソースのかき氷を振る舞いました。

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地元の高校生と一緒に、中島の文化財を巡るサイクリングツアーを実施しました。

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「しまのわ学校体育祭」では、山田隊員がパン販売のブースを出展し、完売しました。

②トライアスロン中島大会のサポート
今年で34回目となり全国屈指の開催回数を誇るトライアスロン中島大会は、中島の夏を代表する一番のイベントです。隊員の2人も毎年、地元の方と一緒に大会を盛り上げています。

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前夜祭の様子

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当日は、地元の方と一緒に、スタッフとして大会を支えています。

<起業に向けた取組み>
【間城隊員】
6次産業化商品の試作
島しょ部の特産品である柑橘を活用した6次産業化商品の開発に取り組みました。島しょ部の減農薬レモンやライムを使った「レモンパウダー」「ライムパウダー」、まつやま農林水産物ブランドの柑橘を使った「カラマンダリンソース」、島しょ部の様々な柑橘を使った「柑橘ゼリー飲料」など、地元の方の協力を得ながら試作を行いました。

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地元の方と一緒に、「カラマンダリンソース」と「ライムパウダー」を使った大福を試作。

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様々な柑橘を使った「ゼリー飲料」

島の柑橘のプロデュース
「みかん伝道師」として、忽那諸島の特産品である柑橘を愛媛県内から全国各地に販売しています。愛媛県の柑橘があまり流通していない地域にも積極的に売り込み、今後も地域の特産品を全国にPRしていきます。

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関東のオフィス内で、社員向けに販売を実施

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道の駅などで販売し、島の柑橘のファンを獲得

【山田隊員】
ベーカリーカフェの開業に向けた準備
協力隊として赴任される前に、社会人向け専門学校のベーカリーコースを修了しました。忽那諸島でベーカリーカフェを開業することを目指し、パン作りの技術のほか、こだわりの材料調達など、地元の方の協力を得ながら、日々、研究を行っています。
これまでに、島のイベントで自身が作ったパンを振る舞ったり、マルシェなどに出展しました。

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忽那諸島のゆるキャラである観光宣伝大使「しまぼう」をモチーフに試作したパン

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伊方町で開催されたマルシェでパンを出展