お知らせ令和7年度 地域おこし協力隊 活動報告(下半期)

【髙橋隊員(令和5年4月~令和8年3月)】
興居島を拠点に活動している髙橋です。活動開始から3年目となり、卒業が近づいています。これまで「子どもの居場所づくり」をミッションに活動を進めてきました。これからも地域の方にご協力いただきながら、教職員経験を生かして子どもたちのために取り組み、新教育事業分野での起業に向けた取り組みも進めていきます。

<髙橋隊員の主な活動実績>
① 地域貢献活動
(1) ごごしまキッズスクール(興居島由良公民館・ハイムインゼルごごしま交流棟にて)
令和5年度から今年2月まで、毎週火曜日の午後4時から5時30分まで、松山市由良公民館を会場に、島内の児童・生徒を対象とした「学びと交流の場」を開催。
本事業には島の子どもたち10名が参加し、学習活動や体験活動を通して多様な学びの機会を提供してきた。その結果、地域教育の活性化に一定の成果を上げることができ、本活動を基盤として、子育て世代による交流の場や多世代が関わる取り組みへと広がりを見せ、地域全体のつながりの強化にも寄与することができた。これらの実践は、地域おこしの一つのモデルとして、他地域への示唆を持つものと考えられる。

  

(2) 「ごごしまキッズクラブ」ごごしま島ごと子ども祭り
令和7年11月23日に松山市由良公民館にて開催。本事業は松山市の次世代支援事業補助金を活用して実施し、中学生2名と小学5年生1名の計3名がリーダーとなり、主体的に運営を担った。島内には娯楽施設や子ども向けの行事が少ない現状を踏まえ、「子どもによる子どものためのお祭り」として企画。当日は100名を超える来場者を迎え、島内外の人々の交流を生み出すとともに、地域のにぎわい創出と交流人口の拡大に寄与することができた。
  

(3) 由良公民館会報 臨時号「ゆうゆう」編集
由良公民館長からの依頼を受け、公民館会報の臨時号の制作にあたり、取材から記事の収集、編集まで一貫して担当。グラフィックデザインソフトを用いて新聞形式の紙面を構成し、読みやすさと親しみやすさの両立を意識して制作を進め、紙面の校正や写真撮影、内容の正確さと視覚的な分かりやすさを追求するとともに、印刷会社への発注までを行った。
掲載内容については、移住者と従来から暮らしている島民の双方をつなぐ役割を果たす紙面となるよう構成を工夫し、地域の魅力が伝わる内容を意識するとともに、特に伝統料理の紹介では、誰もが家庭で再現しやすいよう表現を見直し、納得のいく形になるまで文面の修正を重ねた。
紙面の魅力を高めるためカラー印刷の実現に向けて印刷会社と調整・交渉を行い、最終的には全家庭へ配付される広報物として完成することができた。
 

(4) その他の地域支援活動等
・地域の清掃活動への参加
・由良地区愛護班「亥の子」付き添い
・由良地区運動会参加
・由良地区文化祭参加
・愛媛県委託事業「わがまち再発見」に参加。海外からの移住者に興居島をPR。
・興居島小学校主催焼き芋体験手伝い
・松山市消防団への加入と防災訓練への参加
・見学者への島内案内
  

② 起業に向けた準備と情報発信活動
(1) ポケットスクール
令和6年4月、「ポケットスクール」を始動。掲げたのは、「子どもを誰一人取り残さない」という、揺るぎない考え。この場は単なる研修の提供ではなく、教育に関わる一人ひとりの視点や価値観を問い直すための“対話の場”として設計。
全国の教職員に向けたセミナーや講演は、知識を届けることを目的とするのではなく、それぞれの現場に眠る可能性を呼び起こすきっかけとして展開。その根底には、地域おこし協力隊として掲げてきた「興居島から、新しい教育のあり方を発信する」という構想がある。そしてこの取り組みは、協力隊退任後の独立した活動へと移行するための重要なプロセス。
この活動が徐々に認められ、新聞掲載やラジオ出演などを通して愛媛県内の教育界において一定の評価を得てきた。愛媛県から新しい教育の形を発信していく。
・松山市小野地区青少年健全育成協議会にて講演(松山市小野公民館)
・浦安商工会議所青年部研修会にて講演(千葉県浦安市)
・ネッツトヨタ愛媛だんだんPARKにて自主講演「第2回子どもも大人も見て楽しいワクワク授業実演会」
・松前町西公民館主催 愛護部連絡協議会学習会にて講演
  
(2) その他の自主的活動における情報発信活動
・えひめ夢プロジェクト「ロケット教室」
・NPOイクソス「みつはまキッズスクール」講師
・「お鬼楽塾」にて講演(鬼北町)
・地域教育実践交流集会にて「ごごしまキッズクラブ」の活動を発表
・社会教育士交流研修に参加
・松山市立道後小学校にて公開授業
・松山市内各小学校訪問
  

【岡野隊員(令和5年4月〜令和8年3月)】
興居島を拠点にした農業型地域おこし協力隊としての活動も今年度で終了します。任期中は松山市農業指導センターや愛媛県立農業大学校での実地講習とともに、島内の先輩農家の皆様に剪定や施肥、防除、収穫、選果、出荷といった農作業全般について詳しく教えていただきました。それにより、農業経営において、最適な品種や栽培法、販売法を厳選し、“儲かる農業”のために必要なことを身に付けられたように思います。
また、令和7年5月に開業したアロマ蒸留体験施設では、主に摘果実や傷果といった廃棄される果実を中心に用いて精油や芳香蒸留水を抽出し、それらを基材としたアロマクラフトを利用者の皆様に楽しんでいただいています。 農業も商売も半人前ではありますが、退任後もこの営みを焦らずマイペースで続けていけるよう努めてまいります。

<岡野隊員の主な活動実績>
① 農業に関わる活動
(1) 御手洗地区での柑橘栽培(R6.2月~)
これまで主に栽培していた温州、伊予柑に加え、レモン(アレンユーレイカ、璃の香)、ベルガモット、酢橘といった香酸柑橘を改植しています。
 
(2) 泊地区でのレモン栽培(R7.6月~)
成木レモンの選定や収穫などの他、作業効率を考えた低樹高栽培へと移行しています。

(3) 他園地の農作業手伝い(R5.11月〜)
島内各地の園地で、収穫作業や倉庫での選果、出荷作業の手伝いを継続させていただいています。
 
②退任後の生業に関わる活動
(1) 水蒸気蒸留体験施設の創業(R7.5月〜)
廃棄される柑橘果皮を使用し、1〜2時間と短時間で精油を抽出するアロマ蒸留体験を提供しています。松山市民の方はもちろん、観光客の方にも楽しんでいただいております。また、アロマ蒸留体験の際に、美味しい柑橘を作るために欠かせない農作業や興居島で栽培されている様々な品種のミカンなどを紹介しています。また、今後は女性のフェムケアや中医アロマセラピーによるセルフケアを含めたワークショップラボを開催予定です。
 

(2) 農業大学校での農業経営革新塾受講(R7.6月〜2月)
農業経営と店舗経営を同時進行させる半農半商の取り組みを成功へ導くさまざまなアイデアをご指導いただきました。
 
(3) 創業支援施設での開業セミナーや個別相談への参加(R7.1月〜)
松山しごと創造センターの個別相談では、専門家による的確なアドバイスが受けられたほか、開業後初のイベント出展をサポートしていただきました。
また、テクノプラザ愛媛での女性創業サロンでは事業主として欠かせない経営のイロハを教えていただく中で、異業種や異年齢の創業仲間達との交流が生まれ、退任後の生業に対して貴重なご意見やアイデアをいただくことができました。
  

【大堂隊員(令和6年4月~)】
中島を拠点に活動している大堂隊員は、現在育児休業中です。令和8年4月からの活動再開に向けて準備中です。復帰後の活動については、来年度に報告させていただきます。

【西本隊員(令和7年4月~)】
中島を拠点に活動している西本です。着任1年になります。これまで援農を活動の軸として、中島の農業生産現場を学びながら、下表の通り、耕作放棄地・荒地をお預かりし、開墾・再生に取り組んできました。

(援農でハウスのビニール張替え作業中)

来る初春には、愛果28号、甘平、せとかなど中島の主要品種を再生した放棄地に植樹し、自ら柑橘栽培に挑戦するとともに、今季もハーブ、トロピカルフルーツ、陸稲の栽培実験に取り組むつもりで準備を進めています。

<西本隊員の主な活動実績>
① 耕作放棄地再生
幹線道路沿い、集落内や主要生産地の中にある放棄地・荒地を中心に開墾作業を進めてきました。

小浜の耕作放棄地
(開墾前)

(開墾途中)

②援農
秋からは愛果28号やせとか、甘平の袋掛けに続き、早生・中生・晩生温州ミカン、伊予柑、愛果28号、はるみ、甘平、せとかの収穫、選果の援農が続いています。高齢化や担い手不足で作業が追い付かない生産者が多いので、この時季、援農の依頼が多く、活動の中心になりました。

愛果28号の袋掛け作業

③実験栽培の継続と準備
簡易ハウスで冬季にパクチー栽培が可能か試みています。また、春に向けて、パパイヤ、マンゴー、ライチ、竜眼、ドラゴンフルーツなどの苗木も育てています。
また、4月下旬の播種に向けて陸稲栽培予定地を耕起しました。
 
パクチーとドラゴンフルーツ 陸稲栽培予定地の1回目耕起

④地域団体と連携した活動
中島みらいクラブの国際理解イベントにてタイ料理体験、東南アジアのお正月の紹介をしました。

⑤ その他の活動
・令和7年12月6~7日に中島で開催された、松山市主催の「移住体感ツアー」受け入れ時の案内のお手伝い、参加者との懇談会に参加しました。
・令和8年1月17日に興居島で開催された、令和8年度採用の松山市地域おこし協力隊に応募された方々と地元関係者の意見交換会に、髙橋隊員とともに参加しました。
・令和8年3月3~6日に松山市で開催された、社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」のうち、3月3日の中島での協力隊活動体験を担当しました。
・まつやま里島ツーリズム連絡協議会のインスタグラム・アカウントのほか、個人アカウントで活動状況を報告しています。

(担当者の声)

髙橋隊員は、興居島の新たな子どもの居場所として「ごごしまキッズスクール」を開設し、興居島の子育て世代の方々と一緒に子ども主体のイベント実施を支えるなど、子どもたちの暖かな触れ合いの場づくりに熱心に取り組んでいただき、また、地域清掃や消防団活動、伝統行事「船踊り」参加など、地域活動にも積極的に参加していただきました。任期満了後は興居島と松山本土を拠点として、「子どもの居場所づくり」の新たなスタートを切られるとのことで、今後ともご活躍を期待しています。

岡野隊員は、興居島での柑橘栽培の経験を通じて農業の知識・技能を学び、島内の人手が足りない農家を手伝うほか、非正規品や未熟果の果皮を活用した6次産業化の模索を行いながら今後の生業に繋げていく努力をされてきました。退任後は興居島で柑橘類の栽培を継続しつつ、アロマ蒸留施設の営業も継続すると伺っています。半農半営のライフスタイルを実現し、今後も地域に根付いた活動を期待しています。退任後の益々のご活躍をお祈りしています。

大堂隊員は、現在育休中ではありますが、中島を訪れたときには、地域の方々や国内・国外からの移住者と交流を深め、島内のイベントや行事にも積極的に参加されている姿を拝見し、島内での生活に馴染んでいる姿を見てとても安心しました。活動再開となる4月からの活躍を期待しています。

西本隊員は、協力隊着任からもうすぐ1年が終了しますが、地域での人間関係の構築を着実に進め、地域活動やイベントに参加するだけでなく、耕作放棄地の開墾依頼や猪の駆除活動への参加、活動で使用する空き家の紹介など、島民との信頼関係が十分に構築されていることを感じています。中島での新たな栽培品目の創出に向けたチャレンジなど、持ち前の企画力や行動力で活動の幅を広げていただきたいと思います。2年目も引き続きよろしくお願いします。

今後とも、松山市地域おこし協力隊員の活動に、御理解と御協力をいただきますようお願いいたします。