INTERVIEW百色移住インタビュー

みかん好きが高じて出会い、そして足を運ぶうちに好きになっていった松山

中村優花さん

食べることから、産地訪問へ

「給食で冷凍みかんが出た時は、余ったら中村さんの席に回してくださいと先生から指示が出るくらいでした」と笑う中村さん。埼玉県さいたま市に生まれ、物心がついた時にはすでに周囲にも“みかん好き”が浸透していた。けれども実家暮らしのうちは、食べるだけしか応援する術がなかったそう。そんな中で東京の大学に進学し恩師から「そんなに好きなら産地に行ってみては?」と勧められ、知人だったという広島県・生口島いくちじまのみかん農家を紹介してもらうことに。

生まれて初めての一人旅、そして瀬戸内海の島のみかん畑。海なし県で育った中村さんは、海を見るだけでも大興奮。みかんが木になっているところを見るのも生まれて初めてだったのだそうだ。こんな環境で育てられているんだということを知り、ますますみかん愛は高まるばかり。

ついには【東大みかん愛好会】というサークルが、日本のみかんの消費量をあげることを活動指針に掲げ、積極的に農家さんと繋がったりしていることを知り入会することとなった。初めて愛媛県に行ったのも、このサークルの研修旅行がきっかけ。えひめ飲料の工場見学や真穴まあな共選の見学などに行ったという。

のちにその愛好会を立ち上げた清原氏が開催していた「日本みかんサミット」にも学生スタッフとして参加。会場でたくさんの農家さんと出会ったことで、中村さんの産地訪問が始まった。
出会いから1ヶ月もしないうちに愛媛県・南予地区を訪れ、1週間程度滞在をしながら畑作業を手伝ったりする毎日。「柑橘王国えひめはやっぱりすごい」と、訪問する度に想いを募らせていた。

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南予地方には足繁く通い、仲良くしてくれる知り合いもたくさんできた。会えない間も日々連絡は取り合っているそう。

八幡浜での運命的な出会い

愛媛のみかん農家の訪問が続く中で、出会ったとある農家さん。現在は株式会社エイトワンが運営している、みかん専門店「10-FACTORY」の代表を勤めており、東京・銀座に出店することを知った中村さんは「働かせてください!」と熱烈なオファーを出したそう。もちろんゆくゆくは愛媛の本店に行きたいという希望も伝えていた。
そして1年半ほどの銀座店の経験を経て、松山市・ロープウェー街にある本店への転勤。2019年6月より、いよいよ念願の愛媛県での生活をスタートさせることとなった。

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道後温泉本館が見渡せる「空の散歩道」の足湯もお気に入り

愛媛県で暮らしていることが嬉しすぎて、眠れない

ずっと実家暮らしだったこともあり、旅行でしか行ったことのない愛媛県に、いきなり行くということに両親からもかなり心配をされた。けれど中村さんの中では、農家を訪問する中で愛媛県のことも、松山市のことも少しは知っていたし、大好きな街だったので何も不安はなかったと言う。店舗に近いところで・・・と部屋を探した時も、かなりいろいろと条件は出したつもりだけれども、良い候補物件がたくさんあり、何よりも家賃の手頃さに驚いたそうだ。

引っ越してきたばかりの頃は、なんだか興奮して毎日早朝に目が覚めてしまったり。そんな時は携帯の地図アプリを開いて、現在地を確かめて「私、本当に松山に居るんだ」とウキウキしていたそう。知人やみかんを通じて知り合った仲間たちにも「ついにやったか!」「羨ましい!」と羨望の眼差しで移住を喜んでもらっているそうだ。
今でも毎日、その嬉しさを感じながら幸せな毎日を過ごしている。それはスーパーに日用品の買い物に行くだけでも同じこと。「中でも好きなのは鮮魚コーナー。お魚だけでもこんなに豊富なの!という驚きが毎回あるんです」と気になる食材を見つけたらどんどんチャレンジ。「最低限の生活の中に必要な事にひとつずつ喜びがあり、不便はないのに息苦しさもない。なんて暮らしやすいところなんだろうと感動すら覚えているんです」と目を輝かせながら話してくれるその様子から、ヒシヒシと松山の生活の充実度が伝わってくる。

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自宅のインテリアとしてもみかん箱を使用。
「各地デザインにこだわりがあるし、収納にもなっていいんです」。気分によって全国各地のものに変えるそう。

作り手よりも消費者のプロに

そんなにみかんが好きで産地訪問していたならば、作り手になることは考えなかったのかと聞いてみると「私はあくまでファンであり、みかんの消費者側のプロになりたいんです。農家さんが作ってくださったみかんをいかに美味しく食べられるか、それを伝え、提案するのが自分のやりたいこと」ときっぱり笑う。仕事でも銀座店、本店での客層が異なる両方のお店を経験できたからこそ、様々な人の価値観を通したみかんの印象がわかるようになったと、ますますのめり込んでいるそうだ。

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現在は道後店に勤務。空いた時間や仕事終わりに足湯に入ることが、大切な息抜きの時間になっているそう。「携帯のSiriにここから一番近い海は?」と質問した際に教えてもらった梅津寺ばいしんじも大好きなスポットになったそうだ。友達が松山に来た時は好きなスポットを案内して「松山っていいところでしょう」と自慢するように。最近では時々伊予弁が出る時もあるそうで、「やっと愛媛の人になれたのかも」と嬉しくなるそうだ。
好奇心が旺盛でフットワーク軽く何事にもチャレンジしていく中村さん。松山の良いところ、好きなところを毎日増やしている最中だ。

松山暮らしの本音を教えて

Q 移住者へのアドバイスは?

何も心配はいりません。環境も豊かですし、松山の人も初めて会った気がしないくらい皆さん歓迎してくれます。絶対にお気に入りの場所も見つかりますので、自分の好きなモノを信じて飛び込んでみて欲しいです。

Q 松山に来て驚いたことは?

スーパーの食材の豊かさ。あと伊予弁の「行ってこんけん」とか「ないことない?」「あることない?」とかは、どっちなの??と、聞き直してしまう時も(笑)。驚くというより、面白いなと思います。

Q お気に入りの場所は?

埼玉県出身の私にとって、海への憧れはすごかったんです。なので、梅津寺にはよく行きますね。市内から電車一本ですぐいけるなんて!と最初は驚きました。

中村優花さん

埼玉県で生まれ育ち、2019年6月の松山移住で初めて親元を離れて一人暮らしに。みかん製品の専門店「10-FACTORY」で働いている。

移住時の年代
20代
家族構成
単身
移住スタイル
Iターン
移住時の年代
20代
家族構成
単身
移住スタイル
Iターン