移住者インタビュー
INTERVIEW百色移住インタビュー
県外各地に移り住んだからこそ気づいた、松山の心地よさ。
胸を躍らせながら県外へ進学
松山市で高校まで過ごしたのち、三重県の大学に進学し水産業界について学んだという山本一樹さん。
「水産物が充実していると言われる愛媛県で生まれ育ったことは、水産関係に興味を持つ間接的な理由かもしれませんが、単純に魚を食べることが好きだったから。とはいえ当時もお刺身などは高級品の部類だった印象があります。こんなに海に囲まれた豊かな場所で、なぜそうなんだろう?と疑問に思ったことがきっかけだったんです」。
そんな疑問を解消すべく調べていく中で、ふとテレビで見た三重大学の先生の資源管理についての話に感銘を受け、この人のもとで学びたいと強く思うようになった。
高校卒業と同時に愛媛県を出ることは、外の世界を見られる気持ちで、不安よりもむしろワクワクしていたそうで、三重県での学生生活はもちろん、休日には名古屋や大阪まで足を伸ばしたりと毎日を楽しんでいた。
就職で東京へ。仕事でもプライベートでも大きな波の中で揉まれる日々
その後、水産業界に特化した業界紙の記者として就職。最初の配属先は東京支社だった。当時、築地市場が豊洲市場へちょうど移転するタイミングだったこともあり、移転問題について取材したほか、養殖魚の販売動向を記事にするなどと飛び回っていた。
そうこうしているうちに、東京での生活にも少し疲れが出てきたそう。同年代の同僚も多く、遊ぶことや場所に関しては事欠かなかった一方で、住宅を構えた千葉から都内までの長時間の通勤やラッシュ時の人混みの中、人が少なく静かな環境に住みたい気持ちが膨らんでいった。
そこで、会社へ異動を申し入れ、次の配属先に決まったのが本社のある山口県下関市。そこでは、記者ではなく新聞のレイアウトを作成したり、電子版新聞の新機能開発事業などを手掛けていた。
「下関での生活は比較的自分に合っていたと思います。瀬戸内と同じような空気を感じていました」と山本さん。下関で仕事をし、休日は新幹線で2、30分かけて博多まで足を伸ばしたりという毎日の中で、「松山でもこんな生活はできるんじゃないか?」と思いだした。「三重に住んでた時も、千葉に住んでいた時も、下関でも共通していた気持ちは“やっぱり松山がいいなぁ”だったんです。無意識のうちに松山と比べてしまっていました。いつかは松山に帰りたいという気持ちは漠然とありましたし、今かもしれない」と。都会に居れば電車を乗り継いで…となる場所も、松山だったら車で10分程度移動すれば行くことができるし、市内でも家賃は安いし通勤時間も短くて済む。これからの人生設計を考えた時に、仕事の充実はもちろんプライベートももっと重視したいと、さまざまな面から比較検討した結果、松山に帰ることを決めた。
オンラインで転職活動開始。もうひとつの夢だった仕事に
就職活動はオンラインで。コロナ禍であったことや県外からの転職活動だったこともあり、Zoomなどを通じて数回の面談を受け、最終面接を松山で受けた。
現在、松山市商工会議所の団体職員として、地域の企業や商店をサポートしている。これは大学卒業時にもうひとつの夢として描いていた職業だそう。当時は松山という場所に限らず、地域の企業や商店のサポートを仕事にしたいと思い描いていたが、やはり地元が良いという決意から今回は絞り込んでの就職活動となった。「松山は、ほどよく新しいものが揃っていて、でも大手のチェーンはまだ入ってきていないものも多い。だからこそ地域の商店が生き残れるチャンスもあると思うんです。実際、商店の経営者の方たちと話をしていると熱い思いを持っている人も多い気がします」と、仕事を通じて松山の街を盛り上げていけるのではないかと目を輝かせている。
暮らしやすさを改めて実感する毎日
現在の住まいは城北地区で、通勤は市内電車で約15分ほど。電車でも徒歩でも無理なく通勤できる距離感が気に入っているという山本さん。想像以上に多かったのは自転車やバイクでの通勤をしている人の数なんだそう。「市内は坂が少ないからでしょうか。自分もこれから自転車を手に入れて少しずつ足を伸ばしてみたいと思っています」とのこと。また、高校時代はボート部で梅津寺に通ったこともあり、海が大好き。休日は梅津寺や興居島に出かけたり、飲食店巡りをしたりと松山での生活を楽しんでいる。
松山暮らしの本音を教えて!
Q お気に入りの場所は?
梅津寺や瀬戸内の穏やかな海が眺められる場所。フェリーですぐ行ける興居島は最高にリラックスできる場所です。やっぱり海に魅せられているんだと思います。
Q 改めて感じる松山の魅力は?
程よい都会感とほどよいのんびり感。昔ながらの飲食店を巡るのが好きなのですが、歴史ある店がたくさんあるのも重要な魅力なのでは。あとは大好きなバンド・ジャパハリネットが居ること。
Q 移住を考えている人へのアドバイスは?
一度、今いるところを離れてみることも大事だと思います。自分がそうだったように、離れたからこそ見えることがたくさんあります。そこで感じたことを、具体的な将来像に当てはめてみると、どんな環境を必要としているかどう暮らしたいかが分かると思います。
山本一樹さん
松山市生まれ、松山育ち。進学で三重県に移住したのち、就職は東京(在住は千葉)、山口県下関市への転勤を経て、Uターン。現在は松山商工会議所で地元の企業をサポートする仕事に携わっている。
- 移住時の年代
- 20代
- 家族構成
- 単身
- 移住スタイル
- Uターン
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