移住者インタビュー
INTERVIEW百色移住インタビュー
旅するように飛び込んだ北条。いくつかの地を経てたどり着いた人生の新たな一歩をここ松山で。
価値観が変わったヨーロッパ旅行
大阪で生まれ、宝塚や徳島、名古屋にルーツを持つという隆さん。名古屋生まれのはづきさんと出会い、2003年には名古屋で最初のお店をオープンさせた。
その時点でもずっと名古屋に居るかどうかは決めていなかったという。
「好きと思った場所で自由に選んで住みたいんです」とはづきさん。学生時代から旅好きで、旅をしても必ずその地で3泊以上は過ごし、観光地というより、その土地の人々に根付いた場所やお店を訪れては、そこに住むことを想像しながら楽しむのだそう。
その後一旦名古屋のお店を閉め、はづきさんの大好きなヨーロッパを夫婦で旅して回った。その時に「価値観が変わったんです。何をしなくても、何かがなくても楽しむ術をヨーロッパの人たちは持っている。そんな風に自分がやりたいように生きられたらと思うようになりました」と言うのは隆さん。帰国後は長野の穂高に移り住み知り合いのお店を手伝いながらスローライフを楽しんだのち、自身のルーツのひとつでもある神戸にもう一度お店を出すことになった。
神戸のお店は昼夜問わず同じメニューを提供するカフェ&バー。仕事のスタイルが多様化している日本において、朝方に仕事を終える人には至福のお酒を朝に、ランチタイムにカフェだけ楽しみたい人は美味しい珈琲を、夕方にランチを食べたい人には軽食を、そんな風にその人の生活に合わせた使い方をしてほしいとの想いからだった。
神戸から次のステップを踏み出すために
その後、いろいろな場所を旅しているうちにまた移住したい気持ちが大きくなっていったそう。実はその当時の候補地は島根県の松江か広島県の郊外。四国は眼中にもなかった。そんな時に、何気なく訪れた愛媛県が「何が、というのは説明が難しいのだけれど、松山市の雰囲気がすごく自分たちにしっくりとハマった感じ」で、移住地の最終候補地に。神戸と同じ海と山という環境ながらも、全く異なる雰囲気を持つ松山への移住を決め、お店と自宅が一緒になった店舗付き住宅を北条地区に発見。コツコツと自分たちの手で改装して2016年10月1日「カフェ みーま」をオープンさせた。
自宅とお店が一体になった場所というのは二人にとって重要なポイント。今までの経験を踏まえ、お店のこともきちんとしながら、自宅での暮らしも大切にしたいとの想いからだった。
「さすが風早というだけあって、思ったより海からの風が強く驚きました(笑)。でも松山の中心部までは電車でもすぐ行けるし、この土地に住む不便さは感じたことはありません。北条エリアは自転車に乗って隅から隅まで探検しました」と隆さん。休日は二人で電車に乗り映画を観に松山市内中心部に出かけることが多いが、これから車を買って少しずつ行動範囲を広げていきたいのだそうだ。
というのも、美馬さん夫婦の共通の趣味が美味しい日本酒探し。日本でも有数の多さを誇る愛媛県内の酒蔵を訪ねて周り、自分たちの舌に合う美味しいお酒を見つけたいという。
「松山の一番町に愛媛の酒蔵のお酒を立ち飲みできる『蔵元屋』があるでしょう。実はあそこと出合えたのも移住を決心することになった理由の一つなんです(笑)。決してお酒が強いわけではないので、美味しい日本酒をチビチビ嗜みながら、美味しいご飯を食べたいんです。食事と切っても切れない関係だから。愛媛ならそれができそうと思えたのが大きい」とはづきさん。
そんな二人にとって、食に関しても豊かな北条地区はぴったりだった。形は不揃いでもその野菜そのものの持つ味の濃さには驚かされることに。旬のものを美味しい時期に味わえる、そんな当たり前の幸せを実感しているそうだ。
オープンから半年。もっと地元の人に近づきたい
お店をオープンしてから半年が過ぎる今、この松山に移住してきた人たちが自然に集まる場所になりつつある「カフェ みーま」。そこで生まれる情報交換も貴重だと感じているが、よりこの地に馴染みたいと考えている今、もっと地元の人たちと触れ合いたいという想いが強くなっている。
「いろいろな地を移り住んできて、ここ松山で自分たちの人生の新たな一歩と言えるようなお店にしたいんです。そのためにはもっとこの土地に入り込むことが必要」と隆さん。先日も春の訪れを告げる土筆を近所の方にもらったのがすごく嬉しかったのだそうだ。
そんな美馬さん夫妻は持ち前のフットワークの軽さを生かし、世界を広げていく真っ最中を楽しんでいる。
松山暮らしの本音を教えて!
Q 移住者へのアドバイスは?
ここが地元じゃない人、外部から入ってきた人を受け入れてくれる風土が根付いていると思います。いろいろな町に住んでみて、そう実感します。
Q 松山のここが好き
全国でも1位!という目立ったものはあまりないように思いますが、どれも平均が高い。大人が心地よく暮らせる町、そんな気がします。
Q お気に入りの場所は?
特定の場所はあまりないのですが、山にも海にも近いのが好きです。
美馬 隆さん、はづきさん夫妻
関西地区で生まれ育ち、名古屋で就職。のちに奥様と出会い名古屋、長野、神戸と移り住んだのち、松山市北条地区に2016年7月に移住。
- 移住時の年代
- 50代
- 家族構成
- 夫婦
- 移住スタイル
- Iターン
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