INTERVIEW百色移住インタビュー

暮らしやすさ、仕事のしやすさ、地域の活気 すべてを兼ねそなえていた松山

片岡 徹さん

琴線に触れた、「濱田医院」との出会い

生まれも育ちも高知県梼原(ゆすはら)町の片岡さんは、高校卒業後アクセサリー職人として京都で暮らし、8年前に地元の梼原にUターン。その後、約2年前に松山市内にアクセサリーショップ「Atelier 朔(さく)」をオープンさせたのを機に松山へ移住した。
片岡さんは、自身のアトリエ兼ショップをオープンさせるにあたり、様々な場所を比較検討していたという。「地元の梼原町はすごく大好きな場所ですが、山奥ということもあって、お店をオープンさせるには少しお客さんがつきにくいと考えていました。また、高知市内でお店を持ちたいという気持ちも大きかったのですが、家族や暮らしのことを考えると、南海トラフ地震が起きたときの津波の影響が心配でした」と、仕事のことだけではなく家族が安心して暮らせることも大切なポイントだったと話す。

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また、山々に囲まれた梼原町で育ち、京都での暮らしも長かった片岡さんは海に対しての憧れが強く、松山市、今治市、さらには広島県などでも店舗物件を探したという。
「これまで海にあまり縁がなかったので、お店を構えるなら海のそばがいいと考えていました。様々な情報を模索する中、ミツハマル(※)さんのサイト内で、『濱田医院』のテナント募集を見つけて、この建物は僕が作るアクセサリーと相性がいいだろうと直感的に思いました」。
さらに、それまでにも年に一度、松山で展示会を開いていたため親しみがあったこと、三津浜が地域活性化に注力していることにも魅力を感じて、松山でお店をオープンさせることを決めた。「店名の『朔』は、新月という意味。地元の梼原の星空は、本当にきれいです。新月の日は特にきれいな星空が見えます。そういった輝きをここから生み出したいなと思い、朔と決めました」とお店への想いを語ってくれた。

(※)ミツハマル・・・松山市三津浜地区の賑わいを創出しているプロジェクト。三津浜の魅力を発信している。

暮らしやすさと人の良さはピカイチ!

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「実際に住んでみて感じますが、気候が安定して穏やかで本当に暮らしやすいですね。例年、松山市がシティブランドランキング-住みよい街-で上位に名を連ねていることにも納得です」と片岡さん。
また、松山市の道は平坦なため、自転車が好きな片岡さんには嬉しい環境だという。さらには三津浜の商店街の方々とも親しくなり、松山での暮らしは充実しているそうだ。

移住をきっかけに、今まで以上に精力的に自転車に乗って移動をするようになった片岡さん。休みの日は自転車で温泉へ出かけることが楽しみなんだそう。
また、「温泉が日常に溶け込んでいる松山での暮らしは贅沢だと思います。よく行くお気に入りの温泉もあるのですが、先日は片道2時間半かけて東温市の温泉まで自転車で出かけました(笑)」と日常的に温泉を楽しんでいる。

地元の梼原にUターンした時は、以前働いていた京都の工房の仕事をそのまま引き継いでおり、アクセサリーが完成したら郵便で京都に送るというスタイルで仕事をしていた。
その頃は、自宅に作業スペースを設けていたため、身体を動かす機会が極端に減り、体重が5キロも増加したという。
しかし、松山へ移住後、積極的に自転車で移動するようになったため体重もみるみるうちに減少し、無理せず減量に成功したそうだ。

「好きこそものの上手なれ」、好きなことをして生きていきたい!

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手を動かして作業をすることが好きな片岡さんは、幼い頃から自身で遊ぶおもちゃや、釣りのルアーなどを製作していた。モノづくりに没頭する中、アクセサリー作りに目覚めたのは中学生の頃。たまたま読んだ雑誌にアクセサリーの作り方が掲載されており、「アクセサリーって自分で作れるんだ!」と知ったという。それからは遊びの感覚で高校卒業までずっとアクセサリーを製作していた。
「僕が幼い頃、祖父が『好きこそものの上手なれ』とよく言っていました。僕は、手を動かして作業をすることが好きなので、モノづくりを続けられていることは幸せなことだと思います」。

美しく繊細なアクセサリーを製作している片岡さんだが、意外にも、職人としては決して器用な方ではないと言う。「師匠にもよく、『不器用だね』って言われてました(笑)。なので、決して、他の職人さんと比べると器用な方ではないと思います。ただ、やっぱり祖父が言っていたように、好きだから続けられるんでしょうね」と片岡さんは笑う。
アクセサリー作りの中でも特に楽しいのは、新しいものを作り出す作業だと話す。「同じものを作り続けるというよりは、新しいものを創作することが好きです。そして、そのアクセサリーを身につけたお客様が喜んでくれる姿を見るのが、本当に嬉しい瞬間です」とアクセサリーの製作だけではなく、お客様とコミュニケーションを取ること自体が楽しいと、仕事のやりがいについて話してくれた。

美しい環境で生まれ育った経験が、アクセサリーのデザインに反映されている

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アクセサリーを作る上で大切にしていることは、『長く使えること』と『心地よく使えること』。さらには、片岡さん自身が自然豊かな梼原で育ったことから、アクセサリーは自然をモチーフにしたものが多く、素材も自然のものを使っている。
「自然のものって、人間が作り出したもの以上の魅力があると思います。石や素材の魅力をシンプルに伝えていきたいです」。

オープンして2年が経ち、最近では「Atelier 朔(さく)」の認知度も上がってきていると片岡さんは感じている。
「ようやく、お客様がついてきてくれたように感じています。最近ではブライダルのお客様も多くなってきました。落ち着いて選んでいただけるよう、もう少し広いスペースだといいなと思うこともありますが、しばらくはこの場所『濱田医院』で頑張っていきたいですね」と穏やかな笑顔で話してくれた。

Q 移住者へのアドバイスは?

気候が穏やかで本当に暮らしやすい場所です。親切で気さくな方も多いですよ。

Q 松山のお気に入りの場所は?

海が好きなので、堀江の海岸がお気に入りです。よくここで癒されています(笑)。また、三津埠頭(ふとう)も好きでお昼の休憩中にふらっと行ったりして、埠頭の灯台の下でご飯を食べることもあります。釣りをしている人が多く、景色も最高ですよ。

Q 松山を選んだわけは?

瀬戸内海がとにかく綺麗なことと、環境が穏やかなことが大きな理由です。濱田医院との出会いはもちろんですが、それまでも年に一度、松山市内のお店で展示会を開催していたこともあったので親しみもありました。

片岡 徹さん

三津浜の濱田医院にあるアクセサリーショップ「Atelier 朔(さく)」のオーナーでありアクセサリー職人。休日は自転車で温泉を巡るのが楽しみの一つ。

移住時の年代
30代
家族構成
夫婦
移住スタイル
Iターン
移住時の年代
30代
家族構成
夫婦
移住スタイル
Iターン