移住者インタビュー
INTERVIEW百色移住インタビュー
中島の古民家ゲストハウス「藤乃庵」と簡易郵便局の二足のわらじをはく元郵便局員
人の面白さ・温かさに魅せられ中島へ
瀬戸内海に浮かぶ人口2,000人あまりの中島。松山市からフェリーで約1時間、大浦港から歩いて5分、丸に藤のサインと龍の壁画が目印の「藤乃庵」は、元郵便局員の藤原さんが営む古民家ゲストハウスだ。
美しい自然に惹かれて面白い人々が続々と移住する中島に、藤原さんは2022年4月に埼玉県から移住。古民家ゲストハウス「藤乃庵」の運営と同時に簡易郵便局を開業して、すっかり地域にとけこんでいる。
郵便局員からゲストハウス経営者へ
埼玉県出身の藤原さんは、松山に移住するまでの27年間、郵便局に勤務。2014年、転勤で松山に滞在した経験が移住のきっかけとなり、瀬戸内海に囲まれた美しい島々、市街地へのアクセスの良さ、道後温泉など、埼玉にはない松山の魅力に惹かれ、移住を意識するようになった。
そんな中、松山市が主催した島暮らし移住体験ツアーに参加した。その際、みかん農家が労働力を必要としていることを知り、労働者の拠点となるゲストハウス開業を考え、移住への思いがより強まった。
夢の実現に向けて7年間の綿密な計画
藤原さんは移住し、ゲストハウスを開業するために7年間入念な準備を進めてきた。その中でも「事業計画書」の作成が大きな助けになったという。計画書を通じてビジョンや資金面を明確にし、前職の上司に移住したい思いを伝え、説得した。「単に移住の気持ちや勢いだけでなく、しっかりとした準備が必要だと思います。この計画書が移住への大きなステップになりました」と振り返る。
郵便局員から転身!古民家ゲストハウス「藤乃庵」誕生
移住する前年の2021年にはゲストハウスの物件を決定し、1年間かけて改修。移住後、2023年7月に古民家ゲストハウス「藤乃庵」をオープンした。
オープン以降、中島への移住希望者の滞在が多い。希望者には自身の移住経験を語ったり、空き家の内見に同行したり、地元の水道会社を紹介するなど、積極的に移住希望者に寄り添ったサポートをしている。「自分ができることをして、中島の魅力を発信し、地域とのつながりを深めながら生活したい」と藤原さんは語る。
元郵便局員ならではの経験を生かして地域に貢献
古民家ゲストハウスを始めるかたわら、2017年から7年間、一時閉鎖していた「神浦簡易郵便局」の再開にも取り組んだ。80歳を過ぎたおばあさんが5キロ離れた郵便局まで切手を買いに行く様子を見て、「元郵便局員の経験を生かして役に立てるのではないか」と感じたことがきっかけだった。2024年3月、簡易郵便局を再開し、地域住民に喜ばれている。
自然に囲まれてのんびり過ごせる中島生活に満足
移住初日には、近所の人々からタケノコやみかんを分けてもらい、その温かさに触れた藤原さん。移住先として他の地域にも興味があったが、最終的には中島の人々と自然の豊かさが藤原さんの心をつかんだ。
7年間、移住の準備を入念にしていたこともあり、移住後の生活については「想像通り。のんびりした時間が増え、規則正しい生活ができるようになった。以前の忙しい生活とは対照的に、自由な時間ができた」とゆったりとした時間が流れる島での暮らしを満喫している。
「今後は農業もはじめたい。中島で地域とのつながりをさらに深めながら、新しい挑戦を続けたい」と藤原さんは笑顔で語る。
松山暮らしの本音を教えて
Q これからチャレンジしたいことは?
ゲストハウスの庭に藤棚とピザ窯を作りたいです。また、水が涸れてしまっている庭の池を復活させて、庭を整えていきたいです。
Q 移住者へのアドバイスは?
島での生活は憧れを抱く方は多いと思いますが、移住には思いがけない出費もかかります。予定している予算の1.5倍程度は用意しておくことが望ましいです。また、移住の目的を明確にすることも大切だと思います。
Q 休日の過ごし方?
畑の草むしりや家庭菜園、ヤギ(名前:キング)の散歩をしています。月1回フェリーで市街地に行って買い物や温泉を楽しむこともあります。
藤原 淳さん
埼玉県出身の藤原さんは、転勤で松山を訪れた際、海や温泉など、埼玉にはない魅力に魅了され、移住を決意。7年間移住の準備を進め、中島で古民家ゲストハウス「藤乃庵」と簡易郵便局を営む。
- 移住時の年代
- 40代
- 家族構成
- 単身
- 移住スタイル
- Iターン
- 移住時の年代
- 40代
- 家族構成
- 単身
- 移住スタイル
- Iターン