移住者インタビュー
INTERVIEW百色移住インタビュー
一度訪れた時に、直感でここでの20年後30年後の自分が想像できた
物件との出会いがすべてのきっかけ
広島で育ち、オーストラリアなど海外生活もある木和田さん。そのオーストラリアでのワークビザの取得ができたこともあり、移住を考えていたところ、家庭の事情で広島に戻ってくることに。その後広島で働きながら結婚、娘の結道(けいと)ちゃんが生まれるなど転機をいくつか経てなお、常に移住先を考えていたそう。「場所にこだわりはなかったのですが、どうしてもゲストハウスをするという夢を叶えたかったんです」と木和田さん。そんな中でふとインターネットで出会ったのが現在の物件だった。最初問い合わせた時は他の借り手がつきそうとのことで借りられず一度は断念。けれどその後もう一度物件情報が上がってきた時に、諦めきれず再度問い合わせをしたそう。それが三津浜の街づくりに尽力している、ミツハマルの楠さんとの出会いだった。そして偶然にも最初にこの三津浜に足を運ぶことになったのが、2019年の3月2日=三津の日だったというのも、なんともこの地との縁を感じずにはいられない。
日よけ幕はデニムをつなぎ合わせて友人が作ってくれたもの。
こだわりたかった点をすべてクリア
「移住をするならばと、自分の中で漠然と決めていたのが地域活性化に尽力しているような街であること、そして娘・結道のアトピーがひどかったこともあり、潮風にあたれるようなところがいいなと思っていました」実際に足を運んでみると、観光港からも空港からも近く、ダイヤモンドプリンセス号が寄港するような面白い場所であること、そして地域の人たちが積極的にイベントなどを企画し、地域を盛り上げようとしていることなどが良いなと感じられたそう。そしてゲストハウスを始めようと思っているこの場所の正面には厳島神社が。広島県の宮島口で働いていた木和田さんにとっては、これもご縁のひとつだと思うきっかけになった。「その瞬間なぜかここでの数十年後の自分を想像できたんです」という木和田さん。家族の応援もあり、36歳の時に移住することとなった。
人もクラフトビールも一期一会
一瞬でもそこから始まる出会いがある、そんなゲストハウスをすることが長年の夢。そこからその街へ足を運ぶきっかけに、街の玄関のような場所にしたい、そして地域の人たちにも立ち寄ってもらいたいと、クラフトビールを作ることに。広島で長年バーテンダーとしての経験、オーストラリアではクラフトビールのホールセールをしていたこともあり、クラフトビールならと思ったのだそう。
木和田さんが作るのは「石見式」という冷凍庫を使って醸造する方法。小ロットかつ、大きな機械で管理をせずすべての行程を人力で行うため、都度味が違ったり、とれる量が少なくなったりという難しさと面白さがあるのだという。子育てにも近いと木和田さんは笑うが、ゲストハウスでの出会いと、クラフトビールの一期一会の出会いも似ているのかもしれない。
ビールサーバの横にはこの店で楽しく過ごす様子の写真や、お礼のハガキなどが飾られている
地域の人と積極的に交流
木和田さんはお客さんを迎えるだけでなく、自分からもどんどん地域に飛び込んでいる。先に移住してきた方たちと交流し、三津浜の好きなところをたくさん集める。「三津の渡しの港から見える夕日が好きなんです。船が入ったり、出たりする様子を見ているだけでも楽しい」とのこと。三津浜焼きは近所のお店に週に3回以上は食べにいくそうだ。さらに、娘の結道ちゃんにも嬉しい変化が。人見知りをしなくなり、どんな時でも自分らしく喜怒哀楽を表現できるようになったそう。今ではこのゲストハウスの看板娘として、地域の人たちに愛されている。「何が良いかはわからないけれど、アトピーも綺麗になりました」と、心も体も三津浜に馴染んでいるようだ。
大好きな三津の渡しの港
三津浜を盛り上げる一員に
夢は「いつかはこのビールが『三津のビール』として認識されるようになりたい」という木和田さん。2020年3月のオープン以来、既にリピーターで来てくれるお客さん、長期滞在してくれるお客さんもちらほら。夜は地元の人たちの憩いの場にもなっている。ゲストハウスで出会いを紡ぎながら、この街に住む一員として、どう盛り上げていけるかをいつも考えている。
松山暮らしの本音を教えて!
Q 移住者へのアドバイスは?
実は自分は日本国内であれば「移住」という感覚はなかったんです(笑)。けれどやっぱり、一度足を運んだ時にそこでの生活を想像できるかどうか、その直感はけっこう当たると思うので、大事にしてください。
Q 松山に来て驚いたことは?
実はほとんどなく・・・(笑)。とても住みやすいですし、人が面白い。特にここ三津浜はそんなエリアだと思います。
Q お気に入りの場所は?
三津の渡しの港から見える風景です。毎日近くの堤防からいろんな人が釣りをしている風景も、なんかいいなと思うんですよね。
木和田 伝さん、修子さん、結道ちゃん
広島県からゲストハウスをするという夢を叶えるために家族で移住。元自転車店だった空き家を改装し、クラフトビールの飲めるバーを併設したゲストハウス「麦宿 伝」を運営している。
- 移住時の年代
- 30代
- 家族構成
- 夫婦と子供
- 移住スタイル
- Iターン
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