INTERVIEW百色移住インタビュー

憧れの「島暮らし」は想像を超える心地よさ。興居島でキッチンカーをオープンして島の一員に

菅谷守さん・七瀬さん

松山市の高浜港からフェリーで約10〜15分の興居島(ごごしま)。豊かな自然に恵まれた島ならではの魅力と、松山市内への通勤・通学も可能なアクセスのよさを兼ね備えた人気の島だ。菅谷守さんと七瀬さんは移住から約1年で、離れがたく思うほど島での暮らしのとりこになった。

考えすぎず、体当たり。予算ありきの移住が結んだ興居島(ごごしま)との縁

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宮城県で生まれ育った菅谷守さんと七瀬さん。二人とも宮城県ではイベント運営やライブ配信など、住む場所を選ばない仕事に携わっていた。島への移住を考え始めたきっかけは、ふと目にした島での暮らしを紹介するテレビ番組。「どこにいても仕事はできるし、島で暮らすのもいいね」と、さっそく島への移住についてインターネットで情報収集を始めた。

まずは沖縄を調べたが、住居費などの費用が予想以上にかかることが分かり、予算内で暮らせる島を探すことに。そこで目に止まったのが、興居島にある松山市が運営するお試し移住施設「ハイムインゼルごごしま」だった。
残念ながらペット不可だったので入居はしなかったが、興居島への移住の気持ちは固まっていた。そこで、興居島で空き家を紹介する「空き家バンクごごしま」で物件を探すことにした。

ビデオ通話で住環境を確認し、現地を訪れることなく即決。興居島はおろか、四国に訪れたことすらなかったという二人。「松山の高浜港まではフェリーで10〜15分ほどと便利で、きれいな海もある。下見とか、下調べとか、あまり気にしないタイプなんです」と屈託のない笑顔で話す。2022年8月、宮城県から車で愛犬「ロン」とともに興居島へ引っ越した。

人、自然、のんびりとした島での時間。すべてが心地いい

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興居島での生活をスタートして驚いたのは、島の人がみんな親切だということ。困っていたら相談に乗ってくれ、野菜やみかんをお裾分けしてくれる。頼まなくても手を差し伸べてくれる島の人の懐の深さと温かさがとても心地よかった。

瀬戸内海に浮かぶ興居島の海は、これまで見てきた太平洋とは違いとても穏やか。波打ち際を愛犬と散歩したり、絶景スポットを見つけたり、豊かな自然の中でのんびり暮らせることも、二人の性に合っていた。

もっと人とふれあえる仕事をと、キッチンカーをオープン

そんな環境で暮らす内、「せっかく島で暮らしているのに、家の中に居るのはもったいない」と思い始めた二人。島の人とふれあえる仕事をしようと決意し、2023年7月、キッチンカー「RONHARU(ロンハル)」をオープンした。
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オープン当初は夏休みシーズン。日中は海水浴や釣りに訪れる観光客が多いが、お客さんの9割は島の人だという。

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「夜にお酒を飲める場所が欲しい」という声を聞けばお酒を取りそろえ、「冬に屋外で食事するのは寒い」と聞けば、イートインスペースを由良港のそばに確保した。「何をするにも、島の人の協力があってこそなんです。いつか島の人に必要と思ってもらえるようなお店にしたいと頑張っています」と守さん。キッチンカーは興居島に2つある港や漁港など、いろいろな所に出店している。

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トントン拍子のキッチンカーのように見えるが、ひとつ困ったことがあったという。「松山の味付けは驚くほど甘い!宮城はその反対で辛いんです。お客さんの声をもとに試行錯誤を重ね、お店の味を探しました」と料理担当の七瀬さん。キッチンカー名物「東北の塩からあげ」も、宮城で作っていたレシピよりもずっと味付けを薄くしているという。

いつの間にか離れがたくなったこの島で、ずっと暮らしていたい

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キッチンカーのオープンに合わせ、愛犬ロンが留守番中さみしくないようにと「ハル」を迎え、家族はさらに賑やかに。店名の「RONHARU」は2匹の愛犬の名前からとった。

「島の人がいい人で、島の暮らしも何一つ不便に感じることはなくて。気がつけば、この島を離れたくないと思うようになっていました」と守さんと七瀬さん。興居島に永住することを決め、家の購入を検討している。もちろん、相談相手は島の住民だ。お店のことも、暮らしのことも、気負わず素直に周りの人の力を借りる。それが愛される島暮らしの秘訣かもしれない。

松山暮らしの本音を教えて

Q びっくりしたことは?

宮城でみかんといえば、温州みかん一択でしたが、興居島に来てから種類の多さにびっくりしました。東北出身者からすると、松山のとても甘い味付けにも驚きました。

Q 移住者へのアドバイスは?

勢いと、考えすぎないことも大切。島ではあいさつをきちんとして笑顔で過ごしていると、自然と受け入れてもらえると思います。

Q 松山のお気に入りの場所は?

興居島にある鷲ヶ巣(わしがす)海岸。きれいな夕日を眺めながら愛犬と散歩を楽しんでいます。島の中でも特に浜辺が美しい「琴引鼻」を見下ろす絶景スポットを見つけたので、宮城から両親が訪れた時に案内しました。

菅谷守さん・七瀬さん

宮城県出身の守さんと七瀬さんは、二人で興居島へ移住し結婚。移住後はじめたキッチンカー「RONHARU」も軌道に乗り、これからの人生を興居島で歩んでいこうと決めたばかり。日々、島での暮らしを満喫している。

移住時の年代
30代
家族構成
夫婦と愛犬
移住スタイル
Iターン
移住時の年代
30代
家族構成
夫婦と愛犬
移住スタイル
Iターン